木造住宅の設計・施工という形で木材と向き合った経験を活かし、一社では提供しきれない多種多様で大量の木材を高品質で安定供給させていただきます。
また木材の供給に限らず、木材と長く取り組んできた実績と経験、研究機関が集積するつくば研究学園都市のネットワークを活かして、木材利用・木質化・木造化をお考えのお施主様・設計事務所様に向けて幅広いバックアップ体制を構築しています。
こちらではバックアップさせていただいた建築物と共にサポート内容をご紹介いたします。
特長を知る
木造住宅の設計・施工という形で木材と向き合った経験を活かし、一社では提供しきれない多種多様で大量の木材を高品質で安定供給させていただきます。
また木材の供給に限らず、木材と長く取り組んできた実績と経験、研究機関が集積するつくば研究学園都市のネットワークを活かして、木材利用・木質化・木造化をお考えのお施主様・設計事務所様に向けて幅広いバックアップ体制を構築しています。
こちらではバックアップさせていただいた建築物と共にサポート内容をご紹介いたします。
設計事務所との打ち合わせで必要な材料を素材生産の段階から調達することで無駄を減らした。
物件に必要な事業者のみとのやり取りを行うことで関係する事業者を減らし、コストダウンを実施。
無垢材の美しさを損なわずに耐久性を上げる塗料の提案。
最新のロボットやGIS・ドローンを導入して効率化が進む素材生産の現場ですが、最初に木材として出荷できるまでには35年かかります。「伐採したら植える」百年3代にわたって慈しみ出荷する八溝の山仕事をご紹介します。
植栽をするには、まず地ごしらえが必要です。枝や葉を取り除き、苗木を植えられるよう整地します。枝や葉は、帯状にまとめて並べます。
苗木は、その帯と帯の間に植えます。これは雨で苗木を植えた表面の土を流さないことと、取り除いた枝草を腐らせて苗木の肥料にするためです。苗木はhaあたり2500本植えます。苗木を山に植えつける時期は、3月の終わりから4月にかけて行われています。
苗木を植えて夏を迎えると、苗木の周りにたくさんの草が生えます。その草を放っておくと、土のなかの養分や水分が草に奪われてしまいます。草は苗木よりも成長が早いので、苗木の成長に必要な太陽光もさえぎってしまいます。この作業を〝下草刈り〟といいます。
木は成長すると、幹から枝が出てきます。この枝をナタやノコギリなどで切り落とすことを〝枝打ち〟といいます。木の成長が止まっている10月から3月にかけて行います。
下草刈りが夏、枝打ちは冬と覚えてください。枝打ちする目的は、節がない木にするためですが、余分な枝がなくなると木は真っ直ぐ、太く成長します。太い枝は、まず先の枝を切って、それから根元から切ります。
山に植えた木は、10年~20年ほどの間に、それぞれ大きく伸びて、窮屈な状態になります。そこで木と木の間を広くするための〝間伐〟を行います。
木が大きくなるには太陽光が必要です。もし〝間伐〟されなかったら、木は成長を止めます。森をよく観察していると、どの木を伐るべきか分ります。
間伐には、成長の過程に行う間伐と、幹が大きく成長したものを間伐する〝収入間伐〟があります。戦後の〝拡大造林〟で植えられた木が、〝収入間伐期〟をむかえました。
高密度作業道を敷きながら、間伐する木を収入とし、残された木を成長させて「百年の森」を育てます。〝選木〟は、胸高直径や木の高さを測りながら決めます。
適切な伐期(50~100年)が来ると、山の状況に合わせて択抜(森の木の一部を抜き伐りする)又は皆伐(一定範囲を全て伐採する)して収穫し、用途に合った長さの素材(丸太)を生産し、土場に運搬・集積します。そして、次の世代の森林に更新していくのです。
八溝の森ではザウルスロボやハーベスターなど高性能林業機械を積極的に導入し、安全で効率の良い作業システムを追及しています。そのため、地域の若者が就業しているだけでなく首都圏からの転職者も多く、森林を守り育てる林業技術者の育成も進んでいます。
山に立っている木の含水率は辺材で148~197%、心材で55~113%辺りといわれます。業界用語では“ズブ生”といわれ、材木として用いることはできません。
一定の期間内に乾燥を仕上げ、新しい科学の力を利用して人工乾燥します。また、自然乾燥法としては“葉枯し乾燥(伐採後、葉をつけたまま自然乾燥させる)”があります。
時代は持続可能な社会を求めています。「木を活かす・森を更新する」ことは、その実現に大きな役割を果たします。日本人が自然とともに暮らしてきた文化を大いに生かす時代が来たといえるでしょう。木を一番使うのは建築です。茨城・栃木・福島に連なる八溝山系の森は江戸時代から続く人工林技術を生かし、木造建築に適した強く・美しく・安定した供給体制を構築しています。豊富な在庫量で大量供給、安定供給の需要にお応えいたします。
強くて美しい優れた性質を持ち、特に茨城県側で取れる材料は、江戸時代から続く人工林栽培の技術が高く丁寧に手入れされ関東きっての良材と評価されています。
伐採されてから確かな目で丸太を選び、経験を積んだ職人が丁寧に製材します。強度に影響する乾燥は、森林総合研究所の指導をいただきながら制度を上げる努力をし、出荷前に再度検品してから出荷します。
スギ、ヒノキの機械等級区分製材のうち平角105mm×300mmについて曲げ破壊試験と乾燥による内部損傷の確認試験を実施しました。
破壊試験では右図のように等級区分の規格値である曲げ強度を確認できました。
断面が大きくなるにしたがって機械乾燥は難しくなるものの、内部損傷の確認試験では切断面の内部割れがほとんど見られず、安定した性能であることが確認できました。
含水率20%以下、材せい30mm、材長6000mm以内を条件にスギはE70、E90以上、ヒノキはE90、E110以上を安定して供給できることが証明されました。
平安中期以降の藤原期、鎌倉期での仏像彫刻のほとんどはヒノキ材によります。これを「木の住まい」のインフィル材として蘇らせる、新たな取り組みが開始されました。
八溝のヒノキは「ヒノキの北限」にあたる地理的事情を持っています。それが故に独特の性質を産んでおり、私たちはそこに刮目しました。八溝の山系は年間4000mm降ると言われる尾鷲などに比べると雨が少なく、寒さが影響するため、木の密度が高く、重量がしっかりとあり、丈夫で硬く、力感があるというのが材の特徴です。
ヒノキは、南は屋久島(台湾ヒノキは別種)、北は八溝山系から北には見られません。南九州の暖地では「心腐れ病」にかかりやすく、東北の寒地では「ヒノキ漏脂病」(樹幹より多量の樹脂を流下する木の病気)に罹りやすいといわれます。
一般に日本のヒノキは樹木が成長する春から夏に掛けての成長がほかの材に比べて遅いこともあり、ヒノキ自体が持つ材のこの特性と地理的条件とが重なって、八溝ヒノキは、独特の光芒を放っています。
茨城県北部の森は育林に適した土壌と低い平均気温、少ない雨量、雪量という建築用材料としての生育環境に恵まれています。
寺社仏閣に使われる吉野材と土壌や環境が似ていますが、出材がしやすく消費地に近いことから、品質に比べて割安のことも大きな魅力です。また、徳川御三家の森、その後国有林として十分に手入れされ、その人工林技術は民有林にも広まっており、再造林が盛んなことも高い品質の安定を支えています。
この質が良く安定した木を現代建築に活かすべく、製材や乾燥、加工の技術を磨き、年月を経て美しさを増す材料を生み出しています。材料の木の美しさ+加工技術によって時間が経つと美しい木目が浮き出てくるという楽しみがあります。
杉の赤みと白太は平家の赤旗源氏の白旗に見立てて源平(ゲンペイ)と表現されますが、この源平の美しさは八溝杉の美しさを表すものの一つです。